医療事務経験者のワイが医師事務作業補助業務について教えるで!
みなさんは、医師事務作業補助業務ってご存知でしょうか?
なかなか、馴染みのない名称ですよね。
実は、医療事務の中で『医師の事務的補佐を行う業務』のことを医師事務作業補助業務と呼ぶのですが、近年需要が増えてきているので、医療事務が気になるあなたに、ぜひ知ってもらいたい業務なんです。
需要が増えている理由は、医師の業務がとても多く、医師に多大な負担がかかっているからです。
よって、医療機関側も医師の負担を減らすべく人材を求めているため、この業務に就かれる方が年々増加傾向です。
未経験でそのまま就職される方もいますし、勉強や資格を取得されてから就職される方も沢山いらっしゃいます。
ですので、たくさんの人が勉強しやすいように、医師事務作業補助関連の資格や研修、学習する通信講座が、意外と数多くあるんですよ。
そんな、注目の医師事務作業補助業務について、仕事内容や関連資格を交えながら、ご紹介いたします。
受付やレセプト業務とは一味違った医療事務です。気になりませんか?
少しでも興味を持っていただいた方は、これを機に、医師事務作業補助業務について理解を深めていってくださいね。
この記事では、下記についての疑問が解決できます。
この記事でわかること
・医師事務作業補助業務とは一体何?
・資格がなくても未経験でもOK?
・業務内容はどんなこと?受付とは違うの?
・あなたの向き不向きをチェック。
・医師事務作業補助業務について学ぶ方法は?研修もあるよ。
医師事務作業補助業務とは?
医師事務作業補助業務とは、一言でいうと『医師の事務作業を代わりに請け負う業務』です。
そして、医師事務作業補助業務をする人を医師事務作業補助者と呼びます。
医師は診察を始め、電子カルテの入力、各種指示、診療情報提供書や診断書などの書類の作成・・・と、それはもう様々な業務をこなしています。
そんな多忙な医師の代わりに、医師の事務業務を代わりにこなすのが、医師事務作業補助者のお仕事です。
資格がなくても未経験でも働ける?
未経験可の募集であるならば、医療機関側が採用すれば働くことは可能です。
ぜひ、一度求人情報をチェックしてみてください。
資格が必要そうなのか、自分の働きたい地域での求人はあるのか、賃金はどうなのか。
色々なことが、見えてくるはずですよ。
求人検索の際、『医師事務作業補助』と検索をかけると、職種や業務内容でヒットする場合が多いでしょう。
医療機関によって職種の呼び方は異なってきますので、注意が必要です。
例えば、『ドクターズクラーク』と呼ばれる場合もありますよ。
じゃあ、資格って必要ないんじゃ・・・。ていうのは、大きな間違いやで。
医師と共にお仕事をするわけですから、やはり医療用語などの医療知識が必要不可欠になってきます。
ですので、働きながら徐々に医療に関する知識を増やしていく必要が、大いにあると思っていてください。
実際に、医師事務作業補助者の診療報酬の加算の要件として、入職後6か月間の研修期間(32時間以上の研修)と基礎知識を習得することが厚生労働省より求められていますので、実際に働いてみてから学ぶことが多くなると言えます。
業務内容はどんなことをするの?
医師事務作業補助者の業務内容は、医療機関によってまちまちです。
ですので、診療報酬で医師事務作業補助者に対する加算がありますので、そこで決められている要件をご紹介させていただきます。
この基準が基本の業務内容になります。
【算定要件】
医師事務作業補助者の業務は、医師の指示の下(もと)に、
・診療記録への代行入力
・医療の質の向上に資する事務作業
(診療に関するデータ整理、院内がん登録等の統計・調査、教育や研修・カンファレンスのための準備作業等)
・入院時の案内等の病棟における患者対応業務及び行政上の業務
(救急医療情報システムへの入力・感染症サーベイランス事業に係る入力等)
の対応に限定するものであることと定められています。
これは、診療報酬の医師事務作業補助体制加算を算定するにあたっての要件なので、算定している医療機関であれば上記のような職務内容となるでしょう。
例えば、大学病院なんかで医師の側にいる事務の人って見かけたことないか?あれこそ医師事務作業補助者の可能性が高いで。医師の代行業務をしているのかもな。
また、
・診療報酬の請求事務(DPCのコーディングに係る業務を含む。)
・窓口・受付業務
・医療機関の経営
・運営のためのデータ収集業務
・看護業務の補助及び物品運搬業務等
については、医師事務作業補助者の業務としないこととも明示されているので、窓口業務などはできず、文字通り、医師の事務作業補助業務に専念することになります。
医師のサポート最優先って明示されているから、余計な業務をする必要がなくて、医師サポートスキルがぐんぐん成長しそうやな。
医師も大助かりで、やりがいのある業務や。
業務に向いている人、向いていない人
医療機関で働くうえで、どんな人が適正なのか気になるところですよね。
こちらでは、自身の経験をもとに、医師事務作業補助者の向き不向きについてご紹介したいと思います。
向いている人はどんな人?
ずばり、やる気がある人です。
知識は、後からでもついてきます。
ですが、いくら知識を持っていたって、仕事を懸命にこなそうとする意思や努力がないと、結局長続きはしません。
やる気に欠ける人だと、いい仕事を生み出すことはできませんし、医師をはじめ、後々他のスタッフにまで迷惑が掛かってしまうことに繋がります。
他には、正確に業務をこなそうとする人には向いています。
医師の代行入力や作成等の業務なので、正確性は求められるでしょう。
自身での確認はもちろん、医師への確認作業もしっかりできる人がいいですね。
あとは、患者さまと接するより、医師をメインとした院内のスタッフと関わりたい人には向いています。
少しだけ、患者さまとの直接のやり取りが不安だな、表にさほど出ずに裏方業務をやりたいな。
そんな気持ちがある方には、一般的な医療事務業務より向いていると言えます。
また、医療事務をやってみたけれど、患者さまとのやり取りがメインだったので、
今度は患者さまとの対面は控え、違う目線から業務に励んでみたいという医療事務経験者にも、医師事務作業補助者は向いていると言えます。
きっと、今までやってきた医療事務とは違った視点から医療機関をサポートできるので、
視野が広がり、更に院内のことが把握できるでしょう。
そしてそれは、さらにあなたが医療機関にとって欠かせない人材へと変化することに繋がっていくでしょう。
自分自身も、やりがいが生まれ、フレッシュな気分で業務に励むことができそうですね。
☑正確なお仕事ができる人
☑患者さまとの対面や会話が少ない業務がしたい人
☑誰かを支える裏方業務が好きな人
向いていない人はどんな人?
それは、業務をためがちな人、やる気がない人です。
この業務は、自分一人の業務ではなく、医師と二人三脚での業務です。
医師はものすごく多忙です。
それは診察といった目に見える業務に加え、患者さまから依頼される診断書や、外部に提出するデータの確認などの事務作業がとても多いからです。
テキパキと仕事をこなしていかないと、次から次へと業務がやってくることだってあります。
ですので、自分のペースでのんびりと業務にあたると、医師だけではなく、診断書などの書類を待っている患者さまにだって、迷惑が掛かってしまう可能性があります。
また、コミュニケーションを取ることがとても苦手な人は、医師や他スタッフと関わることが多いので、連携がうまく取れず、向いていないと感じてしまうかもしれません。
ですが、不特定多数の患者さまと関わるよりは、必要最低限のスタッフとの関わりが多いので、慣れていけば、向いていないという気持ちを払拭できるかもしれませんよ。
よって、のんびりと自分のペースで仕事をしたい人や、人と関わるのが極度に苦手な人には、あまり向いていないかもしれません。
ですが、すべてはやる気次第です。
筆者も、幾度となく向いていないと思ったり、思われたりしたことか。
ですが、それを乗り越えて中堅クラスにもなってくると、向いていないという気持ちよりも、頼られる割合の方が増え、入職時とは違った気持ちを抱くことができました。
筆者でさえ、失敗したときなどは向いていないという気持ちがいつまでも消えることはありませんが、
それを少しだけ乗り越えることができましたので、あなたもやる気次第で、きっと乗り越えていくことができると思いますよ。
☑業務をためがちな人
☑コミュ力が底辺でものすごく自信がない人
☑やる気がない人
医師事務作業補助者の需要は上がっているからこそぜひあなたに
いかがでしたでしょうか。
医師と一緒に仕事をするなんて、緊張する業務だと感じられたかもしれません。
確かに医師とやり取りをする際は緊張するところもありますが、徐々に関係が親しくなるにつれて、緊張も薄らいで、やりがいが生まれてきますよ。
令和4年度診療報酬改定では、医師事務作業補助者の配置に係る要件の見直しがあり、
と明示されました。
つまりこれは、経験を持つ、プロフェッショナルの医師事務作業補助者が、医療機関に沢山必要だと、厚生労働省が、医師事務作業補助者の有用性を考慮しての改定ではないでしょうか。
長く働いて経験を積んだ医師事務作業補助者を求めているということは、安定した雇用にも繋がると捉えることができます。
よって、安定して働きたいと思われる方にはぴったりのお仕事ですね。
医師事務作業補助者はこれからも、ますます必要な存在として、医療機関で活躍することでしょう。
注目!関連資格・研修のご紹介
医師事務作業補助業務には、様々な資格や研修がありますのでご紹介させていただきます。
研修は、実際に働く医療機関で、医師事務作業補助体制加算を算定するところなら、基礎知識を習得することが、算定するうえで重要になってきます。
それは、医師事務作業補助体制加算を算定するうえで、2つの指定要件(施設基準)があるからです。
1つ目が、医師事務作業補助職として配置後6ヶ月間の研修を実施すること。
2つ目が、基礎知識(32時間以上の研修)を習得することです。
ちなみに、筆者も過去に基礎知識の修了証を取得しました。
やっぱり、履歴書にアピールできるポイントが一つでも増えると、就職・転職時は自分のやる気を伝えられる手段になってきますよね。
実際に研修に通うのが大変な方や初心者は、資格取得の学習をすることで、基礎知識の習得が可能になる場合もありますので、
指定講座による通信教育で、しっかりと学習するのがおすすめです。
医師事務作業補助業務が気になった方は、ぜひ、自分にぴったりの資格や学習方法を見つけてみませんか?
医師事務作業補助関連の『資格・通信講座』はこちら
医師事務作業補助技能認定試験(ドクターズクラーク®)
医師事務作業補助技能認定試験(ドクターズクラーク®)は、公益社団法人全日本病院協会・一般財団法人日本医療教育財団主催の資格です。
医師事務作業補助関連の資格の中で、認知度も高めであり、求人募集の際にこの資格の有資格者を求めるところも見受けられます。
よって、医師事務作業補助者を目指すなら、この資格がおすすめです。
この資格に合格すると、ドクターズクラーク®の称号がもらえます。
ただし、下記のいずれかの受験資格が必要になってきます。
➁医療機関等において医師事務作業補助職として6ヵ月以上(32時間以上の基礎知識習得研修を含む)の実務経験を有する方
➂認定委員会が前各号と同等と認める方
※詳しくはこちら
よって、受験資格を取得してから受験するといいでしょう。
➀に該当する、指定教育機関による講座が、ニチイから開講されていますので、気になる方は是非チェックしてみましょう。
在宅試験なので、受験もしやすいですよ。
認定医師秘書TM(医師事務作業補助業務実務能力認定試験)
医療福祉情報実務能力協会主催の認定医師秘書™(医師事務作業補助業務実務能力認定試験)は、医師事務作業補助者業務の従事で求められる能力を有すことを証明する資格です。
受験資格として、
➁試験実施協会の指定教育機関において認定医師秘書講座の受講修了をした者
のいずれかに該当する人が受験できます。
合格すれば、32時間相当の基礎知識の研修課程を修めたことを証明することができます。
受験資格➁の『認定医師秘書講座は』、「LEC 東京リーガルマインド」と、「ヒューマンアカデミー 通信講座」『TERADA医療福祉カレッジ』で開講されています。
在宅試験なので、移動時間ゼロ。
忙しい方も受験しやすい資格になっています。
医師事務作業補助者 (ドクターズオフィスワークアシスト®)検定試験
技能認定振興協会主催の、医師事務作業補助者(ドクターズオフィスワークアシスト®)検定試験は、医師事務作業補助業務としての知識と技術を証明する資格です。
受験資格は特になく、誰でも受験可能です。
こちらは、試験対策の問題集や試験対策教材がソラスト 教育サービスより開講されており、短期間で学習しやすいのが魅力の講座です。
※2023.12.25で、こちらの通信講座の提供は終了いたしました。
現在は問題集や教材のみの販売です。
医師事務作業補助者養成講座(ドクターアシストクラーク)
通信コース・通学コースから選べる、『医師事務作業補助者養成講座(ドクターアシストクラーク)』が日本医療事務協会より開講されています。
これは資格ではなく、通信講座にて医師事務作業補助について学習するスタイルになっています。
通学コースだと34時間(6日間)、通信コースだと、3か月(最短2ヵ月)の学習期間です。
厚生労働省指定の研修内容(32時間以上の研修)をすべて網羅しており、講座終了後に修了証を発行してもらえます。
履歴書に、『医師事務作業補助者養成講座 修了』と記載ができますので、知識を習得したことへの証明となるでしょう。
資格取得や学習ができる通信講座の比較
医師事務作業補助業務の学習ができる講座は複数存在します。
これは、医師事務作業補助業務ができる人材がたくさん求められているからでしょう。
講座を比較して、気に入った講座を見つけてみましょう。
【医師事務作業補助の学習ができる講座】
ニチイ | ヒューマンアカデミー通信講座 | 日本医療事務協会 | |
---|---|---|---|
講座名 | メディカルドクターズクラーク講座 | 認定医師秘書講座 | 医師事務作業補助者養成講座 |
学習スタイル | 通学+通信 | 通信 | 通信or通学 |
目指す資格 | ドクターズクラーク メディカルクラーク | 認定医師秘書™ | なし (講座修了証発行) |
料金 | 175,134円(税込) | 44,000円(税込) | 通学:88,000円(税込) 通信:70,400円(税込) |
標準学習期間(サポート期間) | 4ヶ月 (修了日より1年講義聴講可) | 6ヶ月 (12ヶ月) | 通学:6日間 通信:3ヶ月 |
教育訓練給付制度 対象講座 | 対象 | 対象外 | 対象外 |
重要ポイント👉 | ☑経験者コースだと費用が安価 ☑ダブル資格取得が可能 ☑就職支援がある | ☑サポート充実 ☑就職支援がある | ☑短期間で学習可 ☑就職支援がある |
『研修』が受けれる団体はこちら
医師事務作業補助コース(日本病院会)
日本病院会の医師事務作業補助コースでは、基礎知識を習得する研修を受けることができます。
医師事務作業補助業務に就きたいと思われる方は、研修を受けられるのもおすすめです。
ちなみに、診療情報管理士の有資格者や日本病院会 診療情報管理士通信教育の修了生は、依頼すれば修了証を発行していただけます。(下記の条件を満たす方が対象です。)
※1:平成20年5月1日以降認定の診療情報管理士(認定番号:13405 以降の方)
※2:平成17年7月以降(編入生は平成18年7月以降)入講の診療情報管理士通信教育の修了者
※3:指定大学および指定専門学校を卒業した場合は、診療情報管理士の認定者(※1の条件を満たす方)
医師事務作業補助者研修(全日本病院協会・日本医療教育財団)
公益社団法人全日本病院協会・一般財団法人日本医療教育財団が実施している、医師事務作業補助者研修があります。
こちらも、診療報酬の「医師事務作業補助体制加算」を算定するための要件である基礎知識を習得するための研修となっています。
集合研修を修了し、病院内研修レポートを提出した方には、「修了証」が発行されます。
研修は、少し費用が掛かってくるのですが、一度研修を修了すれば、一生モノの証明となりますよ。
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